| 部族民通信ホームページ 開設元年6月10日 投稿202年8月 |
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サイト主宰 蕃神(ハカミ)義男 |
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| 親族の基本構造 2 本文 Introduction導入部 | |||||||||
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Introduction 導入の部 第一章Nature et culture 自然と文化 本章でレヴィストロースは、婚姻制度の始まりを語る。 1 婚姻制度とは「婚姻できる相手」と「できない相手」の峻別から始まる。できない相手との婚姻は禁止(Prohibition)され、その行為はInceste(近親婚)として忌む(制度が許さない) 2 婚姻の可、不可を分離する「近親」定義は民族によって異なる。しかし「誰とでも、例えば母、姉妹などとでも結婚できる」とする制度を採る民族は存在しない 3 近親婚の禁止は普遍(汎人類)の教条で、一方、制度は(個々の)民族、社会が定義する。 本文、書き出し(第一行)で先学の文化論を述べる。 « De tous les principes avancés par les précurseurs de la sociologie, aucun n'a, sans doute, été répudié avec tant d'assurance que celui qui a trait à la distinction entre l'état de nature et l'état de société » (3頁)社会学先達がくみ上げた理論の中で、自然と社会の区別を論ずる説ほど排撃された論はない。 続いて「文明の黎明期、社会組織が未発達でかつ文化的ともいえる活動が未だ活発でなかった初期人間社会のあり方には論が進んでいない」引用なし。それ故、民族学者、社会人類学者の誰も「文化の誕生」を論じていなかった。 これまで誰も文化の発生を「研究していなかった」と言っている。 « La culture n’est, ni simplement juxtaposée, ni simplement superposée à la vie. En un sens, elle se substitute à la vie, en autre elle l’utilise et la transforme, pour réaliser une synthèse d’un ordre nouveau » (4頁)文化とは生命の上に単純に乗っかった状態でも、まして横並びでもない。新たな秩序を実現するためにある方向では生命に替わり、別の観点からは生命を利用し、また変換させている。
信心、慣習、規約、制度をひとくくりにする複雑系、それを言い表すのは近親婚の禁止である。なぜかと言えばその禁止は排他的性格を持ちかつ矛盾をみせる2の属性を具有しているからである。一つの規則(règle)に支配されているのだが、あらゆる社会規則の中で、婚姻のみが(個別)社会性と同時に汎人類性を持つ。 |
基本構造1リンク 基本構造2 基本構造3 基本構造4 基本構造5 基本構造6 基本構造7 親族構造のプレゼン1(限定交換PDF) アンドレヴェイユの数値による親族解析 ショートムービー(5分) Youtube動画(10分) Youtubeに入ってyrb_h8d5bjaで検索 |
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![]() (1871~1937)写真はWikipediaから。文明の起源を初めて論じた歴史家として本書に引用される。「世界はエジプト文明の恩恵を受けている。日本だってその末端だとの理論(らしい」 |
続いて; « il suffira de rappeler que l’interdiction du mariage entre proches parents peut avoir un champ d’application variable selon la façon dont chaque groupe définie ce qu’il entend par proche parent » (10頁)近親者同士の婚姻を禁止するに他ならないが、「近親者」をどのように定義づけるかは社会制度に規定されているうえ、集団それぞれが異なる禁止の範囲を定めている。 « À défaut d'analyse réelle, le double critère de la norme et de l'universalité apporte le principe d'une analyse idéale, qui peut permettre d’isoler les éléments naturels des éléments culturels qui interviennent dans la synthèse de l'ordre plus complexe. Posons donc que tout ce qui est universel chez l'homme, révèle de l'ordre de la nature et se caractérise par la spontanéité, que tout ce qui est astreint à une norme appartient à la culture et présente les attributs du relatif et du particulier » (同)(この事象を証明する) 現実分析はありえない、故に規範と普遍の二重の基準を設けることで概念上の分析が可能となる。自然から引き継ぐ要素から、文化が創生する要素、より複雑系の統合であるが、が分離できる。やり方は、ヒトの普遍部分を抜き出せば、自発性に由来する秩序が残る。するとそれらは(社会)の規範にしていると分かる。それらは相対的かつ個別性の様相を見せる。 「規範」を制度、しきたり、慣習などと理解する。これは文化から発生している。普遍とは「汎人類」の意味で、ヒトの本性、本能に属する。近親婚禁止の制度には「そもそもの自然由来、後の文化の介入」の2律があると説明している。
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« La question n'est donc pas de savoir s'il existe des groupes permettant des mariages que d'autres excluent, mais plutôt s'il y a des groupes de chez lesquels aucun type de mariage n’est prohibé. La réponse doit être, alors, absolument négative, et à un double titre : d'abord, parce que le mariage n'est jamais autorisé entre tous les proches parents, mais seulement entre certaines catégories (demi-sœur à l’exclusion de sœur…) ; ensuite, parce ces unions consanguines ont, soit un caractère temporaire et rituel, soit un caractère officiel et permanent, mais restent, dans ce dernier cas, le privilège d'une catégorie sociale et restreinte » ここでの疑問とは他集団が禁止する婚姻の組み合わせを別集団が認める事はあるかないか、ではない。いかなる組み合わせの婚姻でも認める集団は存在するか否かである。答えは、絶対的に否定である。それも2重の名目で。まずは婚姻禁止とはすべての近親者との婚姻を禁止する制度ではない。範疇を設け禁止する(姉妹との婚姻は禁止だが異母(父)姉妹となら是、幾つかの例が続き)、これら近い血族の近親との同盟(婚姻)は、時にそれが儀礼的で一時のものであるか、公式に認められる永続的婚姻であるは問わず、最後の例(母親は不可だが姉妹とは是)は一部階層の特権として残る。 (このあとマダガスカル、古代エジプトなどかなり近い近親婚を認める例外をあげている) « Voici donc un phénomène qui présente simultanément le caractère distinctif des faits de la nature et le caractère distinctif des faits culture. La prohibition de l'inceste possède à la fois l'universalité des tendances et des instincts、et le caractère coercitif des lois et des institutions » (12頁) ここに至って一つの状況が浮かび上がる。それは自然由来の実態を明確に現しながら、相矛盾する文化由来の実態をも内包している。近親婚の禁止は汎人類性、本能に根ざすところのものであると同時に(個別社会が規定する)法、体制に従属している性格をも持つ。 これまでの引用文を取りまとめると 1 近親婚の禁止(La prohibition de l’inceste)の慣習はどの民族も持つ。故にそれは自然由来 2 禁止の範囲は社会によって異なる、同じ社会でも特権階層でのみ認められる近親婚姻も報告される。すなわち運用は文化に属する 3 自然対文化(本章の章題)、近親婚禁止の制度が社会(文化)を創生した 第一章自然と文化Nature et culture の了 |
旧石器時期の社会構造を解き明かすのは考古学者であろう。投稿子は「悲しき熱帯」で論じられているNambikwara族(マトグロッソ中央部に居住)の生活にその一端が窺われるかと思う。半移動(狩猟で糧を得る)、半定住(小規模農耕)の生活。移動を前提とするから家財什器は極端に少ない。ハンモックは南米先住民の発明であり、汎南米部族的に用いられるが、彼らだけはそれを所有せず、地べたに寝転がる。数家族20人を超えないバンドを組み、移動す る。 |
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第一章自然と文化Nature et culture の了 |
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